1.概要
OECDが2023年12月5日(パリ本部時間)に最新のPISA2022(国際学力調査)の結果を発表するにあたり、PISAのエビデンスに基づく教育政策の立案に資するべく、アジアに焦点をあて、教育の未来に関するシンポジウムを日本で開催する。
2.目的
最新のPISA2022の結果および分析をアジア諸国に焦点を当てて発表するとともに、エビデンスから見える最新の生徒の学びとウェルビーイングの動向を踏まえて、日本、アジアの教育関係者で未来の教育の課題について議論することを目的とする。
特に、PISA2022では数学リテラシーに関して詳細な調査が行われたこと。また、アジアにおいては、学力の高さに比して生徒のWellbeing(WB)の低さが長らく続いてきたこと。さらに、OECDのLearning Compassでも教育の目的にWBが掲げられ、2023年5月に日本で開催されたG7教育大臣会合でも、WBの重要性が強調されたことなどを踏まえて、「次世代を担う生徒の学び」及び「生徒のウエルビーイング~エージェンシーをいかに支援するか?」について、議論を掘り下げることとする。
3.運営
主催:東京大学公共政策大学院ウェルビーイング研究ユニット(代表 鈴木寛)
共催:OECD教育スキル局、一般財団法人三菱みらい育成財団
協力:NTT東日本(株),(株)ベネッセコーポレーション、(株) 教育と探求社、NPO法人 ROJE
4.開催日時/場所
2023年12月6日(水) 12時30分開場、13時開演
場所:東京大学本郷キャンパス 安田講堂(東京都文京区本郷7-3-1)
5.プログラム(敬称略)
2023年12月6日
- 12:30
- 受付開始
- 13:00~13:30
- オープニング
- 主催者挨拶
鈴木寛(東京大学公共政策大学院教授(WB研究ユニット長),OECD教育2030 Bureau Member,元文部科学副大臣) - 共催者挨拶
OECD事務次長 武内良樹
一般財団法人三菱みらい育成財団常務理事 妹背正雄 - 来賓挨拶
文部科学審議官 藤江陽子氏
- 主催者挨拶
第1部 OECD最新報告
- 13:35~14:10
- 「PISA2022の結果の概要:国際比較から見えるアジア各国の現状と課題」
- 登壇者
OECD教育スキル局就学前·学校教育課長 小原ベルファリゆり
- 登壇者
- 14:10~14:25
- 休憩
第2部 パネルディスカッション
- 14:25~15:35
- トピック1 次世代を担う生徒の学び
- モデレータ
植阪友理 東京大学教育学部准教授 - パネリスト(予定)
小谷元子教授(東北大学理事・副学長、数学者)
Dr. Michele Bruniges(オーストラリア、PISA理事会議長、元豪州教育大臣)
井手 和成(三菱重工業株式会社、デジタルイノベーション本部 CIS部 部長)
床勝信 元岡山県中学校校長(数学)
- モデレータ
- 15:35~15:50
- 休憩
- 15:50~17:00
- トピック2 生徒のウエルビーイング~エージェンシーをいかに支援するか?
- モデレータ
鈴木寛(東京大学公共政策大学院教授 OECD教育2030Bureau Member 元文部科学副大臣) -
パネリスト(予定)
Dr. Vinod Rao (インド、グジャラト州教育大臣)
Dr. Christine Choi (香港特別行政区政府教育長官)
内田由紀子(京都大学教授、京都大学人と社会の未来研究院院長 中央教育審議会委員)
宮本久也(全国高等学校校長協会事務局長 前・東京都立八王子東高等学校統括校長 三菱みらい育成財団アドバイザー会議委員)
- モデレータ
登壇者プロフィール(順不同)
- 東京大学公共政策大学院教授
- プロフィール
1986年、東京大学法学部卒、通商産業省入省。慶應義塾大学SFC助教授を経て、参議院議員に当選。12年の在任中、文部科学副大臣を2期。2014年から東京大学教授と慶應義塾大学教授の日本初の国立・私立クロスアポイントメント(2023年まで)。2015年から文部科学大臣補佐官に就任(4期)、学習指導要領改訂や大学入試改革を担当、2016年G7教育大臣会合議長代行も務める。OECD教育2030の共同創業メンバーで現在は理事。ウエルビーイング学会創業メンバー兼副代表幹事、三菱みらい育成財団理事
- インド、グジャラト州教育大臣
- プロフィール
Coming Soon
- オーストラリア、PISA理事会議長、元豪州教育大臣
- プロフィール
Dr Michele Brunigesは教員としてキャリアをスタートし、小学校、中学校、高等学校で教鞭をとった後、ACT州教育省最高責任者、ニュー・サウス・ウェールズ州教育・コミュニティ省局長、オーストラリア政府教育・訓練省大臣などを歴任。2012年行政への貢献が認められ、オーストラリア勲章を受章。また、公共政策における功績が認められ、第1回「影響力のある女性100人賞」を共同受賞した。
2015年オーストラリア教育指導者評議会ゴールドメダル賞を受賞した。
同年ニューサウスウェールズ州の青少年教育への貢献が認められ、オーストラリア教育者大学のハロルド・ウィンダム卿メダルも授与された。
2017年以来、ブルニゲス博士は経済協力開発機構(OECD)の生徒の学習到達度調査(PISA)運営委員会の委員長に選出。
2019年オーストラリア教育大学より同大学の最高賞であるカレッジ・メダルを授与。
今年7月オーストラリア教職学校リーダーシップ研究所会長に任命された。
- 香港特別行政区政府教育長官
- プロフィール
2017年から教育次官を務め、2022年に香港特別行政区政府教育長官に就任。
政府入省以前は、教育分野で30年近く勤務。
1988年から10年以上中学校で教鞭をとった後、教育局に入局し、学校単位のカリキュラム開発と言語教育支援を担当した。
2013年、中等教育学校の校長に就任。その間、Hong Kong Teachers Dream Fundの設立など、社会・教育活動に参加。
また、基本法推進運営委員会、犯罪撲滅委員会、青少年委員会の委員も務めた。
- OECD事務次長
- プロフィール
武内良樹氏は 2021 年 11 月に OECD 事務次長に就任しました。起業・中小企業・地域・都市開発センター、金融企業局、雇用労働社会政策局、教育スキル局、ウェルビーイング・包摂・持続可能性・機会平等(WISE)センターを担当しています。また、OECD の代表として金融安定理事会 (Financial Stability Board)に出席し、アジア太平洋地域に対する OECD の活動を指揮しています。
武内氏は、日本の財務省で約 40 年にわたる優れたキャリアを積みました。OECD 事務次長就任前は、日本の財務大臣特別顧問を務めていました。国際担当財務官(2019-2020)、国際局長(2016-2019)を務め、G7、G20、IDA、国際通貨金融委員会など多くの国際フォーラムで財務大臣代理などの要職を歴任しました。
武内氏は、国際経済・金融の分野で豊富な経験を有しています。IMF、世界銀行、アジア開発銀行をはじめとする地域開発機関などの国際機関と緊密に協働してきました。また、日本が議長国を務めた G20において、財務省国際局長として財務チームを率い、特にデジタル課税、質の高いインフラ投資、資本フローの管理、グローバルインバランスに注力しました。
武内氏は、東京大学法学部卒業、オックスフォード大学経済学修士号取得、英国王立国際問題研究所(チャタムハウス)で研究員を務めました。
- 一般財団法人三菱みらい育成財団常務理事
- プロフィール
1990年三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行。
人事部スタッフ人事室長、事務企画部部長、三菱UFJフィナンシャルパートナーズ(株)取締役社長等を経て、2023年3月より現職。
- 文部科学審議官
- プロフィール
1988 年文部省(現文部科学省)入省。
広島県教育委員会管理部総務課生涯学習振興室長、在中華人民共和国大使館一等書記官、文化庁文化財部長、文部科学省官房審議官(高大接続・初中局担当)、スポーツ庁審議官、スポーツ庁次長、(独)日本学生支援機構理事長代理、文部科学省総合教育政策局長を経て2023 年 8 月より現職。
- OECD教育スキル局就学前·学校教育課長
- プロフィール
Coming Soon
- 東京大学教育学部准教授
- プロフィール
Coming Soon
- 東北大学理事・副学長(研究担当) 東北大学大学院理学研究科数学専攻教授
- プロフィール
理学博士。
独マックスプランク客員研究員、東北大学大学院理学研究科助教授を経て、2004年より東北大学大学院理学研究科教授。
2012年東北大学原子分子材料科学高等研究機構(現・材料科学高等研究所)長(~2019年)。
2020年より現職。
沖縄科学技術大学学園理事、外務大臣次席科学技術顧問。内閣府総合科学技術・イノベーション会議議員(非常勤)、日本数学会理事長、理化学研究所理事等を歴任。
専門分野は数学(幾何学、離散幾何解析学)。
- 三菱重工業株式会社、デジタルイノベーション本部 CIS部 部長
- プロフィール
1993年 東京工業大学工学部 卒業
1995年 東京工業大学 総合理工学研究科 精密機械システム専攻 修士 修了
1995年 三菱重工業(株)入社
2001年11月-2023年2月 オランダ デルフト工科大学 客員研究員
2022年4月より三菱重工業(株)デジタルイノベーション本部CIS部 部長となり、現在に至る。CIS部は、三菱重工グループの製品を自律化・知能化するために、制御・モデリング・機械学習・最適化・画像処理AIに関する研究開発を担当している。
- 元岡山県中学校校長(数学)
- プロフィール
1983年4月 岡山市立中学校教諭として採用。教科は数学。2007年度から3年間「岡山県学力・人間力育成推進会議」が提唱する、「学ぶ意欲とスキルを育てる」(市川伸一著、小学館)に基づいた「6つのⅠFプラン」を中学校区の研究主任として実践。その功績により、2010年5月、財団法人福武教育文化振興財団より谷口澄夫教育奨励賞を受賞。2021年3月 岡山市立香和中学校長を最後に定年退職。現在は、こども相談主事(スクールソーシャルワーカー)として岡山市こども福祉課に勤務。
- 京都大学人と社会の未来研究院教授・院長。中央教育審議会委員。
- プロフィール
専門は文化心理学・社会心理学。
京都大学教育学部教育心理学科卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。
博士(人間・環境学)。
ミシガン大学、スタンフォード大学各客員研究員、京都大学こころの未来研究センター助教、准教授を経て、19年より教授。21年より中央教育審議会委員。2019年~2020年スタンフォード大学行動科学先端研究センター(CASBS)フェロー。
2023年からは京都大学人と社会の未来研究院院長。著書に『これからの幸福について 文化的幸福観のすすめ』(新曜社)など。
ミシガン大学、スタンフォード大学各客員研究員、京都大学こころの未来研究センター助教、准教授を経て、19年より教授。10~13年まで内閣府「幸福度に関する研究会」委員、21年より中央教育審議会委員。14年「たちばな賞」(京都大学優秀女性研究者賞)、16年「日本心理学会国際賞(奨励賞)」各受賞。2019年~2020年スタンフォード大学行動科学先端研究センター(CASBS)フェロー。
- 全国高等学校校長協会事務局長 前・東京都立八王子東高等学校統括校長 三菱みらい育成財団アドバイザー会議委員
- プロフィール
都立高校教諭から東京都教育委員会で指導事務にあたる。都教育庁指導部
高等学校教育指導課長等を務めた後、2012年から東京都立西高等学校統括校長、
2018年から東京都立八王子東高等学校統括校長を務める。
その間、2015年から全国高等学校長協会会長(~2017)、中央教育審議会
初等中等教育分科会委員、高大接続システム改革会議委員など多くの審議会委員
を務め、高大接続改革、大学入試改革に直接関わる。
2023年より全国高等学校長協会事務局長。
三菱みらい育成財団アドバイザリーボード委員、
東京大学先端科学技術研究センター 先端教育アウトリーチラボアドザイザー等も務めている。
- 東京大学教育学部長
- プロフィール
勝野正章 東京大学大学院教育学研究科教授・研究科長。学部と大学院で教育行政学と学校経営学の授業を担当。
特に教員政策に関心があり、近年まで「ILO/UNESCO 教員の地位に関する共同専門家委員会」の委員を務めた。
著書に、Teacher Evaluation Policies and Practices in Japan: How Performativity Works in Schools (Routledge) などがある。
- OECD東京センター所長
- プロフィール
2022 年 7 月から現職。日本および東南アジアをはじめとするインド太平洋諸国とOECDとの関係強化に向けて、政府、企業、労働組合、学界等、幅広い層との政策対話等に活動的に参加。
OECD事務局勤務は今回で3ポスト目。これまでに、OECD開発センター局次長、「民主的ガバナンスのためのパートナーシップ」上級政策分析官、「ハイリゲンダム・ラクイラ対話プロセス支援ユニット」上級政策分析官(開発担当)などの要職を歴任。 これらの経験を通じて、OECDのアジア関与強化に寄与し、OECDとアジアとの距離を縮めることに尽力。
なお、前職では、外務省経済局アジア太平洋経済協力室長として、東南アジアを含むアジア太平洋諸国との経済分野を中心とする協力を推進。これに先立つ外務省勤務では、国際開発協力、気候変動、日米関係等を広く所掌。
GRIPS/FASID で国際開発修士号、ペンシルバニア大学で国際政治・政治経済修士号を取得